人魚姫の末裔SS「姫はじめ」

ピートとお正月v

注意:「人魚姫の末裔」の、フェイとピートが一緒になった後のお話です。

********


新年が来た。
昨年、私は晴れてピートを国に招き入れた。

彼の姉との結婚も同時だった。
私は運命を呪うしかない。
大切にしたい人がいるのに、結婚を義務付けられているなんて。

彼の姉・ローズとは、週に二回褥(しとね)をともにしている。
その翌朝ピートに会うと、ひどい顔をしている。

「はじめのうちは、フェイが姉上と一緒に寝てると思ったら、
眠れなかった……」
ピートが、そう心の内を洩らした時、私は自分の罪深さを自覚した。

でも、私は王子としての勤めを果たさねばならない。
人魚の姫と子を成し、彼女を自由にすること。
そして、小姓に迎えたピートを幸せにすること。

今はそれしか思いつかない。


********


曜日の関係で、昨年の最後はピートと一緒に居られなかった。
片手にローズマリーの花を携え、ピートの部屋をノックする。

「……フェイ。新年おめでとう」

「おめでとう、ピート。
今日、泊まっていいかな?」

「……いいよ。
待って、散らかってるんだ。片付けるから…」

部屋の中に入ろうとする私を、ピートは制した。
その瞳に、涙が残っている事に気付いた。

「もしかして、泣いてたの?」

「……ッ」

うつむいた彼の顎を、上向かせる。
そのまま、唇を食んだ。

「ふっ……、んんっ……!」

私の胸をどんどんと叩いて抵抗するが、両手も縛める。
舌を差し込むと、諦めたのか、手の力が抜けた。

「許して。早く子供を作って、ピートだけを愛したい。
私の望みはそれだけだ」

濡れた唇のピートが私に何か言いかけ、やめた。

「信じて欲しい。ピートが一番好きだよ」

また、ピートが瞳を潤ませた。
小さな声が聞こえた。

「早く、二人きりで暮らしたい……」

そのまま、すすり泣きが終わるまで胸に抱いていた。


********


ずっと体を寄せ合い、ピートの涙を手で掬ったり、
舌で舐めたりしていると、変な気持ちになる。

彼の息がとても近くて、爽やかな香りがする。

「この香り……、何?」

「この前、メイドさんに勧められたんだ。
男性向けの香水」

顔を上げたピートは、嬉しそうに微笑んだ。
その顔を見ると、胸が苦しくなる。

「いい匂いだね……」

腕の中にピートを閉じ込め、肩に顔を埋める。
首筋を、くんくんと嗅いでみる。

「犬みたいだよ、フェイ」

くすくす笑う声が聞こえてくる。
私は我慢が出来なくなった。


********


「フェイ……?」

ピートの体をまさぐり、ズボンのベルトを外す。
小さい拒否の声が聞こえたが、かまうものか。

「こんな入口で、ダメだ……。
ベッドまで行かないと」

手をつっぱり、抵抗する。
ドアから一番近い家具は、窓際の机だった。
私はピートを机に連れて行った。

「……これはベッドじゃないよ、フェイ」

「ドアから離れたから、いいだろう?
……ほらピート、ズボンを脱がないと」

「あっ、あっ」

ズボンを脱がせ、白いシャツ一枚になったピートを見ると、
まるで今から犯すみたいだった。
けれど、その背徳感が私を駆り立てた。

急いで指をしゃぶり、彼の後孔をほぐす。
前立腺にあてるように愛撫すると、彼の耳は真っ赤になった。

「気持ちいい? ピート……」

ぶんぶん、と首を縦にふる。
欲望に忠実な伴侶が愛しくて、彼の半身も握ってやる。

「あ、やぁ……っ」

甘えるような啼き声を上げられると、私のものも硬くなる。

「挿れるよ」

ひと言かけ、立ったまま体を繋ぐ。

久しぶりのピートの中は、とても具合がいい。
熱くて、うねっていて、何より愛しい。

私が彼の中を堪能していると、
ピートは涙目で後ろを振り返った。

「フェイ、中には出さないで……」

「ああ。約束するよ」

また腰を進めると、ピートは震えながら机に手を付いた。

「んっ……」

声を抑えているのが、かわいくて仕方ない。
――――― ふと、まだ懐妊の気配が見えない妻の姿が重なった。

「ピート、ごめんね。
私を許して」

何度も詫びながら、彼を征服する。
彼は、背後にいる私に手を差し伸べてきた。

――――― これが答えか。
私と手を繋いでもいいと―――――?

嬉しさがつのり、腰をゆする。
肉棒が内壁をこすり上げる度、ピートが小さい声を上げた。

体温が馴染んだ頃、背後から耳を噛み、舌を差し込んだ。
同時に最奥を突くと、彼は甘い嬌声を上げた。

「そんな声を出して……。誘ってるんだね?」

「ちがっ、あ、あん!」

突き上げると、ピートは目を閉じたまま動きを止めた。
うさぎのようにびくびくと震え、精を放つ。

「……イったね?」

後ろから問うと、真っ赤になって頷いた。
私はまだ硬いままのものを、ずるりと引き抜く。

「あ……」

「先にイクなんて、悪い子だ」

少し物足りなそうな表情をしたピートを抱きしめ、
額にキスを散らす。
ピートの額は、汗の味がした。

腰を持ったままの格好で、私は髪をかきあげる。

「……まだ私は全然満足していない。
私がいいと言うまで、この体勢で一晩中突いてあげる」

「…………っ!」

「ああ、もちろん中に出すからね?」

服を脱ぎながら宣言する。
ピートの顔が、また赤くなった。
まだ、新年は明けたばかりだ―――――。


********

あとがき

松の内(1月15日)になってないので、姫はじめ的なSSを付けました。
ピートは、コックリングを嵌められてます。
(小説書いた後思い出したので、入れられませんでした)

和風の背景を使いました。
背景は、模様田さんの作品です。
模様田さんのpixivへのリンクはこちら

このイラストのセリフ付きイラストはこちら。

2014.01.10 kiyonya

back